権利証と登記識別情報通知

かつては、相続・売買・贈与など所有権に関する登記手続きをすると「登記済証」、通称「権利証」が法務局(登記所)から発行されました。しかし、現在はこれらの登記手続きをすると権利証ではなく「登記識別情報通知」が発行されるようになっております。宇都宮地方法務局黒磯出張所(現在は宇都宮地方法務局大田原支局に統合)は平成18年7月10日以後、宇都宮地方法務局大田原支局は平成18年12月11日以後は登記識別情報通知が発行されるようになりました。※黒磯出張所は大田原支局に統合されています。
登記識別情報通知とは、12桁の英数字が記載されている従来の権利証に代わる非常に重要なものです。権利証はその原本が重要なものでしたが、登記識別情報通知は情報ですので、12桁の英数字を他人に知られてしまうと従前の権利証が盗まれたことと同じになりますのでお気を付け下さい。この12桁の英数字には一度剥がすと二度と貼れない特殊な目隠しシールが貼ってあります。なお、現在お手元にある権利証はそのまま使用できますので、大切に保管しておいて下さい。

相続人が外国にいる場合

最近では海外に赴任している方も珍しくはありません。遺産分割協議に基づく不動産の相続手続きには相続人の印鑑証明書が必要となりますが、日本に住民登録がない方は日本の役所に印鑑登録をすることができません。相続人が外国にいる場合には、その相続人がいる国の日本大使館や領事館等から在留証明書、署名(サイン)証明書を取り寄せて、相続手続きをすることができます。

在留証明書
日本人が外国に在留していることを証明する在外公館(日本大使館、総領事館)発行の書類。

署名(サイン)証明書
外国に在留している日本人が印鑑証明書を必要とするときに、印鑑証明書の代わりに在外公館が発行する書類。

相続人に行方不明者がいる場合

相続人の中に行方不明者がいると遺産分割協議をすることができません。この場合、下記のような手続きをとる必要があります。

不在者財産管理人を選任してもらう
共同相続人の一人が行方不明の場合、他の相続人が家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらうよう申し立てをすることができます。不在者財産管理人は、行方不明の相続人の財産目録を作成し、それを補完する権限をもちます。また、家庭裁判所の許可を得れば、他の相続人と遺産分割協議をすることができます。

失踪宣告の申し立てをする
行方不明者の生死が7年間不明であった場合、親族等は家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをすることができます。失踪宣告を受けたものは7年間の期間満了時に死亡したものとみなされ、戸籍謄本にもその旨が記載されます。

相続については、柳澤司法書士事務所へお気軽にご相談下さい!!

 

相続人に未成年者がいる場合

ご主人が亡くなり、相続人が妻と未成年の子どもの場合には、母は子どもの代理人となることはできません。遺産分割協議では共同相続人の間で利害が対立する可能性がありますので、相続人の一人が他の相続人を代理することや、同一人物が複数の相続人を代理することは禁じられています。このケースでは子どものために特別代理人の選任を家庭裁判所に申し立てなければなりません。もし妻が特別代理人を選任しないで親権者として子どもを代理して一人で遺産分割を行った場合は、この遺産分割は無効となります。なお、子どもが成人した後にその遺産分割を承認すれば、分割のときに遡って効力が生じます。

不動産を相続したら、まず相続登記を!!

相続によって不動産を取得した場合、それが自分のものであることを他人に主張するために相続登記(名義変更登記)をするのであり、登記しなければ罰せられるというわけではありませんし、手続きをしなければいけない期限があるわけでもありません。ですので、必要になったときにやればよいと考える方もいるようですが、本当にそれで大丈夫でしょうか??

【Aが亡くなり、その相続人がAの子どもであるBCDであった場合】
BCDは仲の良い兄弟で不動産は長男のBが相続するということで話はまとまったので、安心して手続きをせずに放置していました。そして、数年後Cが亡くなってしまいました。Cには妻Eと子Fがいました。その後、不動産が売却できそうなのでBはDEFに相続による名義変更登記をしたい旨、伝えるとEFにBが相続するという話は知らないし、納得できないから協力できないと言われてしまいました。名義変更登記手続きが進まずに時間ばかりが過ぎ、最終的には不動産売却の話もなくなってしまいました。Aが亡くなってすぐに不動産の相続による名義変更登記をしていれば・・・

不動産の相続による名義変更登記をしないで長い間放置しておくと、相続人が亡くなり相続権がある方が次第に増えて、相続人が100人以上になってしまった・・というケースもあります。このようになると遺産分割協議を整えることが難しくなり、必要な書類も非常に多くなります。相続による名義変更登記を済ませないと売却することも担保にいれることもできません。

不動産を相続したら、まずは相続登記を!!⇒ ご相談の流れ


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