遺留分とは?

遺言で財産を誰にどれだけ与えるかは自由です。しかし、全財産を他人に与えるという遺言がされると、残された家族が困ってしまう場合があります。
そのため法律で最低限これだけは相続できるという部分が確保されています。これを遺留分といいます。遺留分が認められているのは、配偶者と子(直系卑属)です。兄弟姉妹には遺留分が認められていません。

遺留分の割合は、以下の通りです。
相続人が直系尊属のみ・・・財産の3分の1
相続人が兄弟姉妹のみ・・・なし
相続人が上記以外・・財産の2分の1

この遺留分の制度は、遺留分に違反する遺贈や贈与が当然に無効となるのではなく、請求することにより侵害されている部分を取り戻すという形をとっています。

遺留分を請求する権利(遺留分減殺請求権)は相続の開始および遺留分の侵害を知った日から1年以内に行使しないと時効により消滅してしましますのでご注意下さい。

遺産分割協議とは?

遺言がない場合などには、具体的な財産の分け方を相続人全員の話し合いによって決めることとなります。この話し合いが遺産分割協議です。相続人全員の話し合いで合意すれば、法律上の相続分にこだわる必要はありません。

遺産の分割には4つの方法があります。

共有分割・・・数人の相続人で持ち分を定めて共有する。
メリット    公平な分配が可能。財産の現物(家や土地など)を残すことができる。
デメリット   権利関係が複雑になる。財産の利用や処分の自由度が低い。

代償分割・・・一部の相続人に財産を与え、他の相続に対しては金銭を支払う。
メリット    農地や事業用の資産などを残すことができる。公平な分配が可能。
デメリット   財産を取得する相続人に支払い能力がないとできない。

換価分割・・・財産を売却して、金銭に換えて各相続人に分配する。
メリット    公平な分配が可能。
デメリット    財産の現物が残らない。手間、時間、費用がかかる。税金の問題。

現物分割・・・個々の財産をそのまま各相続人に分配する。
メリット    財産の現物を残せる。わかりやすい。
デメリット   相続分通り正確に分配するのは困難である。

遺産分割協議がまとまったら遺産分割協議書を作成します。相続人の間で遺産分割協議がまとまらないときには、家庭裁判所の調停を利用することができます。

代襲相続とは?

親の財産は子を通じていずれ孫のものとなります。しかし、親より先に子が亡くなっていた場合に孫が財産を相続できないとなると孫にとっては酷な話です。
そこで、被相続人(亡くなった方)の死亡以前に、相続人となるはずだった子などが死亡や一定の理由により相続権を失ったときは、その者の子、つまり孫がかわって相続できることになっています。これが代襲相続です。
代襲相続の原因は、相続開始以前の相続人の死亡、相続欠格、相続人の廃除です。なお、相続放棄は代襲相続の原因とはなりません。
代襲相続は、相続人のうち子と兄弟姉妹に認められた制度です。子については、子が死亡しているときには孫、孫が死亡しているときにはひ孫というように、直系卑属で何代でも代襲することができます。一方、兄弟姉妹についても、死亡した兄弟姉妹にかわってその者の子が相続できますが、代襲は一代限りです。つまり代襲相続人となるのはおい・めいまでとなります。

誰にどれだけの相続分が?

法律では相続人の相続分を次のように定めています。これを法定相続分といいます。

相続人が配偶者と子(および直系卑属)のケース
配偶者 2分の1   子(および直系卑属) 2分の1
※子が複数いれば2分の1を頭割りする

相続人が配偶者と直系尊属(父母)のケース
配偶者 3分の2   直系尊属 3分の1
※直系尊属が複数いれば3分の1を頭割りする

相続人が配偶者と兄弟姉妹のケース
配偶者 4分の3   兄弟姉妹4分の1
※兄弟姉妹が複数いれば4分の1を頭割りする

相続人は誰?

相続があったときに誰が相続人となるのかは、法律で定められています。この法律で定める相続人を法定相続人といいます。法定相続人は配偶者と被相続人(亡くなった方)の子(直系卑属)・直系尊属・兄弟姉妹に大きく分けられます。

配偶者
配偶者とは結婚をしている夫婦の一方のことで、夫にとっては妻、妻にとっては夫です。以下の相続人とともに常に相続人となります。

第1順位 子(および直系卑属)
被相続人(亡くなった方)に子がいれば、最優先で相続人となります。子がすでに亡くなっている場合には、その者の子(孫)が代わりに相続人となります(代襲相続)。養子も実子と同様に相続人となります。

第2順位 直系尊属
被相続人(亡くなった方)に子や孫などの直系卑属がいない場合には、父母などの直系尊属が相続人となります。被相続人(亡くなった方)と親等の近い順に、まず父母、父母がいなければ祖父母というように相続権が移っていきます。

第3順位 兄弟姉妹
被相続人(亡くなった方)に子も孫も直系尊属もいない場合には、被相続人(亡くなった方)の兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹で死亡している者がいる場合には、その者の子(おい・めい)が代わりに相続人となります。


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